2008年3月4日火曜日

イージス艦衝突事故についての個人的な考え

最近話題の、イージス艦と漁船が衝突した事故について、個人的な考えや思いを述べたいと思います。

テレビなどの報道で見る限り、やたらめったに自衛隊が叩かれているように思われるのは、私だけでしょうか。
何をとっても自衛隊が悪いと、ほぼすべての報道で口を揃えた様に言われています。
確かに、私もあの事故については、自衛隊の負の部分が明らかに大きいと思います。
ただ、100%自衛隊に負があるかというと、そうは思いません。
個人的には、海自70:30民間ほどでしょうか。
ただ、事故全体の負の部分ではなく、海自の負の部分しか報道されていないことにどうも納得がいかないのです。


【イージス艦に回避義務あり】
海上衝突予防法にのっとると、イージス艦に回避の義務がありました。
ただし、これは現場では必ずしも従っているわけではなく、小型船が回避する、というのが習慣化しているように思われます。
船では、特に大型船の場合は進路変更の際「回頭惰力」と呼ばれる惰力が大きく、舵が効きはじめるまでに時差が生じます。
それを踏まえて、習慣上は小回りの利く小型船が進路を譲るわけです。

<これまでも相手が大型船の場合、回避義務が先方にあっても漁船側が回避してきた。大型船は回避に時間がかかるから、そうしてきた。>

これは沈没した漁船と一緒に船団を組んでいた漁師の方々もこのようにコメントし、認めています。
テレビ報道などに出てくる"専門家"と呼ばれる方々も実際の現場で操船した人は、果たして何人いるのでしょうか。
実際の現場はまったく知らないはずです。
車と違い、船には操船の際ローカルルールなどもあり、一概に否定できない部分もあるのです。


いくらイージス艦に回避義務があったとはいえ、漁船側も不明な行動が浮上しています。

さらに以下に続けます。


【見張りがずさんであったと指摘】
現代の船はレーダーなど様々な電子機器で周囲を監視、航行しています。
ただ、小型船(特に小型木造船)などは航海用レーダーには非常に映りにくく、必ずしも当てにできるものではありません。
そのため、どのような船でも基本的に例外なく見張りは行われているのです。
報道ではイージス艦乗組員の見張りがずさんであったとしか報道されていません。
しかし、なぜ漁船側の見張りは指摘されないのでしょうか。
沈没した漁船と船団を組んでいた他の船はすべて回避行動を取っており、沈没した漁船のみ回避行動をとらず、直進しています。
一部では、漁の準備で見張りをしていなかった、とか。


イージス艦の接近に気づき、先方に回避義務があるので回避しなかった、とします。
しかし、これは非常に考えにくい考え方なのです。なぜなら、同じく船団を組んでいた僚船は全て回避行動を取っているからです。
沈没する危険性を冒してまで、直進する理由があるでしょうか?
僚船は避けているのに、1隻だけ権利主張するのは明らかに不自然です。
漁船側も、見張りが不十分であったと考えることもできるはずです。

以上のように、私は100%自衛隊に負があるとは考えていません。
自衛隊側に大きな負はありますが、漁船側の負もきちんと報道、説明し、もう少し突っ込んだ報道を行ってもらいたかったです。
今回の衝突事故はイージス艦と漁船の両面それぞれのミスが重なり、起こったものであると思っております。
ただし重ねて言いますが、明らかにイージス艦側のミスが多かったのは事実であり、また漁船乗組員の早期発見を祈っております。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 はじめてコメントします。
私もまったく同感です。あの偏ったテレビ報道には腹が立ちます。
 海自を叩くことで報道をより劇的にしたいのでしょう。または、何らかの圧力がかけられていたのでしょうか・・・
 責任ある報道をお願いしたいものです。

もし、道を歩いていて車が近づいてきたらよけませんか?海は違うのですか?私は車と勝負しようとは思いません。そして道路を歩くときも、周りに気をつけて歩きます。

匿名 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
偏った報道、さらには艦内飲酒問題を取り上げるなど、道のそれていく報道。
最近納得のいかない報道が多く、テレビを見ていて怒りがこみ上げてくることさえあります。
いつからこんなになってしまったのでしょうか…